健康食品・サプリメント受託製造OEM
☎ 075-381-0815

健康食品の表示講座|上級編:実際の行政措置事例

スーツ姿のビジネスパーソンが、健康食品の表示ラベルやパッケージを前に、集中してチェックしているイラスト。理解と気づきの瞬間を感じさせる表情。

健康食品の表示講座|上級編:行政が「本気」で動くとき

こんにちは。今回は健康食品の表示における「上級編」として、実際に行政が動いた措置命令や行政指導の事例を紹介しつつ、「行政がどのような考え方で表示を取り締まっているのか」を解説します。

私たち健康食品OEM企業にとって、法令を守った表示設計は事業の信頼性を支える柱です。実際に、弊社がこれまで23年間で関わった表示に対して、行政指導を受けた例は一件もありません。

今回の記事は、そんな表示のプロとしての視点から、景品表示法(景表法)に違反した場合の措置命令の事例をひも解き、どんな表現が問題になるのか、どうすれば違反を回避できるのかを丁寧に整理していきます。

あくまで一般論としてではなく、実際に行政が判断した基準をもとに解説しますので、「どこまでがOKなのか」を知りたい方には必読の内容です。

景表法とは?健康食品事業者が絶対に避けたい「措置命令」とは?

健康食品の広告やパッケージに関する「表示規制」の中でも、最も強い行政処分の一つが景品表示法違反による「措置命令」です。

景表法(正式には「不当景品類及び不当表示防止法」)は、消費者庁が所管する法律で、「優良誤認表示」や「有利誤認表示」など、消費者を誤認させるような表示を禁止しています。

この法律に違反すると、企業名や商品名とともに措置命令の内容が官報や消費者庁ホームページで公開され、社会的信用を大きく損なうリスクがあります。

特に健康食品業界では、「痩せる」「治る」「改善する」といった効果・効能をうたった表示が問題となるケースが多く、2020年代以降も定期的に措置命令が出されています。

では、行政はどのような基準で「違反」と判断しているのでしょうか? 次章で詳しく解説します。

行政の考え方:「一般消費者がどう感じるか」が最も重要

措置命令の判断基準で重要なのは、表示内容の“解釈”がどうであったかではなく、一般消費者がどう受け止めるかという視点です。

つまり、「これは薬機法違反のつもりではなかった」と事業者側が主張しても、消費者が誤認する可能性があると判断されればアウトです。

また、「事実であるかどうか」よりも「表示が与える印象」が問題になる点にも注意が必要です。

たとえば「◯◯大学との共同研究により開発された」といった表現であっても、内容によっては「効果を保証しているように受け取られる」と判断され、景表法違反になることがあります。

「効果の断定」はNG/間接的な言い回しでも判断される

よくある違反例として、以下のようなものがあります:

  • 「飲むだけで内臓脂肪が減る」
  • 「〇日間でウエスト◯cm減」
  • 「腸まで届くから便通が改善する」

これらは一見、体験談や商品説明のように見えても、「効果を保証する表示」とみなされる可能性があります。

さらに、「〜のようだ」「〜するかも」といったあいまいな表現であっても、全体の文脈として消費者が効果を確信するような表現になっていればアウトです。

行政は個々の表現を単独で評価するのではなく、パッケージ全体や広告の構成、画像や図表、消費者の文脈理解などを総合的に判断します。

そのため、特にウェブページやLPなど、複数の要素が絡み合う表示設計においては細心の注意が必要です。

このような観点から、実際に行政が違反と判断した事例を以下にまとめました。

「この表現がダメなのか」と驚かれる方もいるかもしれませんが、すべてが実際に措置命令や指導対象となったケースです。

プロの目線からも学びの多い内容ですので、ぜひ参考にしてください。

最近の健康食品に対する行政措置の事例

日本では近年、サプリメントなど「健康食品」の広告・表示について、行政当局が措置命令(景品表示法に基づく表示是正命令)行政指導(改善指導)を相次いで行っています。以下に過去12年の主な事例をまとめます(表も参照)。行政処分の根拠法令としては、不当な表示を禁じる景品表示法(優良誤認表示や有利誤認表示の禁止)や、健康増進効果の誇大表示を禁じる健康増進法などが適用されています。

①機能性表示食品の根拠不足に対する措置命令

2023年6月、消費者庁はさくらフォレスト株式会社に対し、同社の機能性表示食品「きなり匠」「きなり極」の広告表示が景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして措置命令を行いました[1]。同社はウェブサイト上で、あたかも本品を摂取すれば 「中性脂肪を低下させる」「血中LDLコレステロールの酸化を抑制する」「高めの血圧を大きく下げる」 等の効果が得られると表示していました[2]。しかし、提出されていた科学的根拠資料では充分な効果が確認できず、消費者庁は「届出表示の根拠に合理性を欠く」として表示を不当と判断しています[3][4](景品表示法第5条第1号違反)。本件は機能性表示食品の届出表示そのものが根拠不足と認定された初の措置命令であり、同様の根拠で届出された約88件の類似商品についても個別に確認・対応が進められました[5]

②ダイエットサプリの誇大広告に対する措置命令

202311月、消費者庁は通販事業者の株式会社アリュールに対し、機能性表示食品「スリムサポ(SlimSapo)」の広告表示が優良誤認に当たるとして措置命令を発出しました[6]。同社はインターネット上で 「4週間で−20kg達成!! といった短期間で誰でも劇的に痩せるかのような表現や、「国が痩せると認めたサプリ」とあたかも政府のお墨付きであるかのような虚偽表示を行っていました[7]。これらは機能性表示食品の届け出内容(「BMIが高めの方の体重・体脂肪・内臓脂肪の減少をサポートする」という趣旨)を著しく逸脱した誇張広告であり、合理的な根拠も示されなかったため、景品表示法違反(優良誤認)と認定されています[7]

③「飲むだけで痩せる」サプリの虚偽表示に対する措置命令

2023年12月、消費者庁は株式会社ハハハラボに対し、機能性表示食品「メラット」の広告が不当表示に当たるとして措置命令を公表しました[8]。同社はウェブ広告で、「本品を摂取するだけで腹部の脂肪が落ち、見た目にもわかるほど痩せる」 と誰でも容易に痩身効果が得られるかのよう示す表示を行っていました。また、「ダイエットサプリランキングで6項目中いずれも第1位」 といった宣伝もしていましたが、これらランキングは客観的な調査に基づかず恣意的なものでし[9]。いずれも根拠なき優良誤認表示と判断され、景品表示法違反として表示差し止めなどが命じられています[8]

④ステルスマーケティングを初適用した措置命令

202411月、消費者庁は製薬大手の大正製薬株式会社に対し、同社のサプリメント「NMN taisho」の宣伝手法が新たに規制されたステルスマーケティング(ステマ)に該当するとして措置命令を行いました[10]。同社はインフルエンサーに商品を提供しSNS投稿を依頼した上で、その投稿内容を自社サイト上の広告に転載する際に「#PR」など広告である旨を表示せず掲載していました[11][12]。消費者庁はこれを景品表示法第5条第3号(ステルスマーケティング表示)の違反と認定し、同法第7条に基づき再発防止を命じています[10]※本件は2023年10月のステマ規制導入後、初の措置命令例となりました[13]

⑤大手企業によるサプリ広告への措置命令

20253月、消費者庁はロート製薬株式会社に対し、同社のアイケアサプリ「ロートV5 アクトビジョンa」の広告がステルスマーケティング規制違反に該当するとして措置命令を発出しました[14][15]。ロート製薬は自社監修メディア上の記事広告で、広告であることを明示せずに自社サプリの宣伝を行っていたとされます(ステマ表示の不当表示)。優良誤認表示の認定はなく課徴金対象外でしたが、大手による事例として消費者庁が厳正に対処しています[14]

⑥自治体による通信販売業者への措置命令

2025年3月、東京都は株式会社ダイエットプレミアム(通信販売業者)に対し、同社のダイエット食品「酵素づくしのべっぴん炭クレンズ」の広告表示が不当表示に該当するとして措置命令を公表しました[16][17](景品表示法の都道府県による執行)。当該業者は複数のアフィリエイトサイトで 「食事制限や運動なしに短期間で顕著な痩身効果が得られる」 との虚偽誇大な表示を行い[18]、さらに 「米国のダイエット部門で人気第1位に選ばれた」 など実績No.1表示で消費者を誤認させていました[19]。また、仲介業者を通じてインフルエンサーに依頼投稿させた内容を、自社サイト上で広告と明示せず引用掲載するステマ手法も確認されています[20]。以上の行為が優良誤認表示およびステマ規制違反と認定され、東京都が措置命令を発し公表しました[16][17]

⑦一斉監視による行政指導(認知機能サプリメントの広告)

 消費者庁は行政指導として、景品表示法違反や健康増進法違反のおそれがある表示に対して改善を求めるケースもあります。代表例として20223月、「記憶力・認知機能によい」等と標ぼうする機能性表示食品についてネット広告の一斉監視を実施し、全国の115事業者(131商品)に対し表示の改善を指導しました[21]調査対象商品の約6割において、届け出た機能性の範囲を超える表現や「認知症が治る」かのような紛らわしい表示が見られたため、景品表示法と健康増進法の観点から是正を求めたものです[21]。このような行政指導により各社は自主的に広告表現を修正・撤回し、消費者庁はSNSなどで一般消費者にも注意喚起を行いました[22]


まとめ:信頼される健康食品ビジネスのために

今回の記事では、景品表示法に基づく行政措置の事例を中心にご紹介しました。

どの事例からも共通して読み取れるのは、

  • 事業者の意図とは無関係に、消費者がどう受け取るかが判断基準になること
  • わずかな表現のニュアンスが「優良誤認」とみなされるリスクがあること
  • パッケージや広告全体の印象設計が非常に重要であること

健康食品業界は「良いものを届けたい」という想いを持った企業が多い一方で、表示の曖昧さから信頼を失うリスクも潜んでいます。

私たち健は、これまで23年以上にわたり、私たちが確認させてもらったパッケージ表示は行政指導ゼロを維持してきました。

これは単に慎重だったからではなく、「伝えたこと」ではなく「伝わったこと」が信頼の礎になるという信念のもと、表現の細部にまで目を配ってきた結果です。

今回の記事が、健全で信頼される商品づくりに少しでもお役に立てば幸いです。


※このブログでは、今後も実務者視点から「表示の注意点」や「健康食品開発における落とし穴」などを継続的に発信してまいります。

ご興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧ください。

出典:

[1] さくらフォレスト株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について | 消費者庁

[2] 消費者庁が、景品表示法に基づく措置命令を公表「 健康食品 」の安全性・有効性情報

[3] [4] [5] [28] 〖機能性表示食品で初〗にさくらフォレスト措置命令を下した背景+変わる消費者庁の調査体制 | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

[6] 株式会社アリュールに対する景品表示法に基づく措置命令について | 消費者庁

[7] 4週間で-20kg」広告に根拠なし 健康食品販売元に景表法違反:朝日新聞

[8] [9] 消費者庁が、景品表示法に基づく措置命令を公表「 健康食品 」の安全性・有効性情報

[10] 大正製薬株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について | 消費者庁

[11] [12] [13] ウェルネスデイリーニュース | 消費者庁、大正製薬に措置命令 〖動画公開〗1113日の記者会見アーカイブ

[14] 大正に続きロートもステマ告示違反 【動画公開】措置命令の記者

[15] [23] ロート製薬株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について

[16] [17] [18] [19] [20] 東京都が、景品表示法に基づく措置命令を公表「 健康食品 」の安全性・有効性情報

[21] 消費者庁が機能性表示食品への広告規制で115社に改善指導、担当課長に聞く一斉監視の目的と今後の対応 | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

[22] 認知機能に係る機能性を標ぼうする機能性表示食品の表示に関する改善指導及び一般消費者等への注意喚起について | 消費者庁

ご相談・お見積りは完全無料!
お気軽にお問合せください。
☎ 075-381-0815