「健康食品OEMで100個や500個で作れますか?」
これは当社にもよくいただくご相談です。確かに「小ロット」という言葉は魅力的に聞こえるかもしれません。しかし、実際にはクライアントにとっても当社にとっても、100個や500個の製造は“メリットよりデメリットの方が大きい”のです。
今回は、その理由と、なぜ当社がご対応できる最小ロットについて、本音でお話しします。
健康食品(サプリメント)OEM、「小ロット」で製造したいですか?
「100個から対応します!」──健康食品のOEM(受託製造)の業界を調べていると、こんな甘い言葉を目にすることがあります。特に新規参入を考える方にとって、「まずは小さく始めたい」という気持ちに刺さるコピーですよね。
ですが、私は23年間健康食品の企画や製造に携わっているからこそ断言できます。小ロット対応をうたうその言葉は、裏側をきちんと理解しないと、むしろあなたの事業を苦しめる“罠”になってしまうかもしれません。
このブログを読んでくださっている方には、健康食品(サプリメント)の販売に新規参入をお考えの方が多くおられると思います。
「健康食品OEMって、小ロットでもお願いできますか?」
これは、私が毎日のようにいただくご相談です。特に最近は、新規参入やスタートアップの方からの問い合わせが増えていて、皆さんが一番気にされているのはやっぱり「最小ロット」と「コスト」です。
よろしければ、この記事を最後まで読んでください。
最低限必要な製造数量と、健康食品(サプリメント)を結果的により安く製造する方法をお伝えします。
健康食品(サプリメント)OEM、「100個から対応します」「小ロットOK」の実態
ここ数年、健康食品(サプリメント)の市場は広がり続けています。SNSやYouTubeなどの発信者が「自分のブランドを立ち上げたい」と考えたり、企業が自社オリジナル商品を販促ツールにしたり。参入ハードルが下がったことで、健康食品(サプリメント)OEM受託製造の需要は右肩上がりです。
その中で「小ロットで作れるか?」というニーズが増えるのは自然な流れです。
ただし、ここで誤解しやすいのは──“小ロット”の意味です。
ある工場では「100個からOK」とホームページに書いているかもしれません。でも、それは多くの場合「既存のバルク(中身)を流用してパッケージだけ変える方式」です。つまり、完全オリジナルではなく“持ちバルク”です。受託製造というよりは形を変えた『卸』と言った方が実態に近いかもしれません。
※持ちバルク・・・工場が前もって製造して在庫する汎用品用のカプセルや錠剤。
これは、確かに「とりあえず商品数を増やしたい」時には便利です。見栄えは整うし、すぐに形になる。でも…私の考えでは、これは本当の意味での小ロットOEMとは違うのです。
なぜかというと、「商品設計や配合は販路や顧客に合わせて熟慮する必要があるから」です。そこをすっ飛ばして「とりあえず作る」では、売れる商品は絶対にできません。
ここで、ぶっちゃけトークをしましょう。当社も過去に持ちバルクを在庫して、「100個から対応します」をやっていたことがあります。
そして、今はもうやっていません。なぜでしょうか?それは、持ちバルクをやると(細かくニーズに対応することができる商品にならないので)あまり売れなかったからです。
新規のクライアントやお問合せは獲得できましたが、中途半端な商品が大ヒットするはずもなく誰も儲からなかったのでやめました。
持ちバルクの是非──私の持論
業界には「持ちバルク」という仕組みがあります。工場が既に作ってあるサプリの中身を流用し、ラベルだけ変えて出す方式です。
確かにこれは「小ロット」を可能にする便利な仕組みです。手っ取り早く商品数を増やせるし、参入障壁も低い。メリットはあります。
ただ、私の持論は──「商品設計や配合は、販路や顧客に合わせて熟慮するべき」です。(これについては、過去記事で何回も繰り返して言っているので、このブログの読者の方には分かっていただけると思います。)ここを無視して“既製品をそのまま使う”やり方では、結局は差別化できず、売れない商品になるリスクが大きいのです。
もちろん「とりあえず形にしたい」場合は否定しません。また、その持ちバルクの配合がたまたま貴社が発売したい健康食品(サプリメント)の配合に近いものであれば問題は無いと思います。でも「売れる商品」を作りたいのであれば、私はやはりオリジナル設計で最低1,000個くらいから始めるべきだと考えています。
| 項目 | 小ロット(100〜500個) | オリジナル設計(1,000個〜) |
|---|---|---|
| 製造方法 | 持ちバルク流用が中心 | 完全オリジナル設計 |
| 独自性 | 他社商品と似通いやすい | ブランド独自性が出せる |
| コスト効率 | 余剰バルク・資材の廃棄で割高 | 1個あたりコストが安定 |
| 利益性 | 薄利/継続が難しい | 長期的に利益を残せる |
| 信頼性 | 短期的な販売で終わりやすい | リピーター獲得につながる |
販路や顧客に合わせて健康食品(サプリメント)設計する方法はこちら
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健康食品のOEM株式会社の最小ロットについて
私の会社では、「最小ロットは約1,000個〜」としています。これは工場側の都合ではなく、むしろお客様の利益を守るための最低ラインです。
健康食品のOEM(受託製造)は、原料費・資材費・工賃・品質試験費用など、仕入れや製造コストで様々な固定コストが発生します。100個や200個といった小ロットに分散すると、1個あたりのコストが跳ね上がり、販売価格に転嫁せざるを得ません。結果として、市場価格から見ても割高な商品になってしまい、販売が難しくなります。
ひとことで言うと、「100個とか200個とかでオリジナル処方の健康食品(サプリメント)を無理やり製造するとバカみたいに1個当たりに原価が高くなってしまいます。」ということです。
OEMは「投資」か「出費」か
ここで強調したいのは、OEMは“投資”であって“消費”ではないということ。
「とりあえず100個で様子を見よう」という気持ちは分かります。しかしその「様子見」が、かえってビジネスを不安定にし、成長を阻害するのです。
1,000個単位で製造するからこそ、1個あたりのコストが下がり、適正な販売価格で勝負できる。さらに在庫を確保できることで、安定供給をアピールでき、取引先からの信頼も得られる。これは単に「工場が作りやすいから」ではなく、「市場で勝てる商品にするため」なのです。
コストシミュレーション
ここで「じゃあ、実際にいくらかかるの?」という声が聞こえてきそうなので、表にしてみました。
| 製造数量 | 製造費(目安) | パッケージ費 | その他費用 | 合計コスト | 1個あたり原価 | コメント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 100個 | 70万円 | 20万円 | 10万円 | 100万円 | 10,000円 | 極端に高く、商品価格に転嫁不可。資材・バルクロスが大きい |
| 500個 | 75万円 | 25万円 | 10万円 | 110万円 | 2,200円 | 一見可能だが利益率が低く、設計の柔軟性も乏しい |
| 1,000個 | 80万円 | 25万円 | 10万円 | 115万円 | 1,150円 | 本来の設計自由度が出せ、クライアント利益に繋がる数量 |
| 3,000個 | 220万円 | 50万円 | 10万円 | 280万円 | 950円 | スケールメリットで原価圧縮。販路が広い場合に有効 |
※100個と500個は、持ちバルクではなくオリジナルの配合で最小ロット(1,000個以下)で無理やり製造した場合のコストです。
なぜ、100個とか500個のトータルコストが高いのかと言うと小ロットだろうが大ロットだろうが固定費は同じだからです。この固定費は製造費の中に含まれています。例えば、健康食品の受託製造では製造する製品を切り替えるごとに製造ラインの洗浄を徹底的に行います。使用する施設や機械の全てがこの対象です。また、製造中や製造後に出来上がったバルクや製品の検査も行います。それに、製品の製造前に機械のセッティングも必要ですね。実は、製造量が1,000個程度であれば実際に製造を行っている時間よりも製造ラインのセッティングや洗浄を行っている時間の方が長いこともあります。そして、一定の品質を保つためには機械に投入しなければならない最低限の原料の量が決まっています。だから、100個とか500個とかの極小ロットで無理やり製造した場合は大半の原料は廃棄することになります。
この表を見ていただければ分かる通り、ロットが増えるほど1個あたりのコストは下がるんです。これが現実。だからこそ「1,000個以上」が合理的で、ビジネスとして成功する確率が高いのです。
健康食品(サプリメント)の原価(製造コスト)を正直にぶっちゃけた記事はこちら
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小ロットに潜む“落とし穴”──数字では見えない現実
「100個なら、すぐ売り切れるだろう」と考えて小ロット生産に踏み切ったとします。確かに在庫リスクは減るかもしれません。でも、その後に待っているのは“リピート生産の壁”です。
1回目は100個、2回目も100個、3回目も100個…。そのたびに原料の手配、製造ラインの調整、パッケージの準備といった同じ工程が繰り返されます。効率の悪さが積み重なり、結果として1個あたりの原価が跳ね上がります。
しかも、途中で「原料が欠品してます」と言われたら? 販売は止まり、顧客を待たせることになる。100個単位の繰り返しでは、この不安定さから逃れられません。
例え話:喫茶店のケーキとOEM
街角の小さな喫茶店を思い浮かべてください。毎朝、その店主がショーケースに並べるケーキを焼いています。
A店は「毎日100個ずつ」焼いています。B店は「週に1回、まとめて700個焼いて冷凍保存」して出しています。
一見すると、A店の方が新鮮で良さそうに思えます。ところが実際には、仕込みの手間や材料費が何倍もかかり、1個あたりの利益はほとんど残りません。B店の方が効率的に運営でき、価格も抑えられてお客様に喜ばれている。これは、少し街中を散歩するだけで分かります。だって個人経営の喫茶店なんてほとんど見掛けないじゃないですか。寂しいことではありますが、大量に仕入れて一括で大量生産をしているチェーン店のカフェや喫茶店しか残っていませんよね。
OEMの小ロット問題もこれと同じです。「とりあえず100個で」という考え方は、喫茶店のA店と同じく“効率の悪さ”という壁にぶつかります。
成功するのは「売れる前提での1,000個」
私がこれまで見てきた中で、本当にうまくいった例は──最初から1,000個売る計画を立てていたケースです。
- どんな販路で売るのか?(店舗、通販、SNS)
- 誰に届けるのか?(若年層?シニア?)
- どんな悩みに応えるのか?(美容?健康維持?)
これらをきちんと設計して「この商品なら1,000個は売れる」と確信してからスタートしたブランドは、ほぼ例外なく軌道に乗っています。
逆に「まずは100個で様子見」という考えで始めたブランドは、在庫を抱えなくても、最終的に続かない。なぜなら「売れる商品」ではなく「作っただけの商品」になってしまうからです。
実際のお客様の声から
実際にあったケースをご紹介しましょう。あるお客様は最初、「まずは300個で…」というご相談でした。でも、シミュレーションを重ねていく中で、「結局1個あたりのコストが高すぎて売値に乗せられない」と気づかれた。そこで腹をくくって1,000個で製造したんです。
結果は──発売後3か月で完売。「最初は怖かったけど、思い切ってよかった」と今ではリピート発注を繰り返してくださっています。
この経験が物語っているのは、「小ロットの安心感」は一時的なものにすぎず、本当の安心は“売れる設計”にあるということです。
まとめ:小ロットは「優しさ」ではなく「罠」になる
- 100個や200個でのOEMは、コスト面で無理が出る
- 持ちバルク方式は「商品数は増やせる」が「売れる商品」にはなりにくい
- 最小ロット1,000個は「工場の都合」ではなく「お客様の利益のため」
小ロットをうたう工場は多いですが、それは必ずしも“親切”ではありません。むしろ、あなたのビジネスを遠回りさせる可能性すらあるのです。
おわりに
小ロットは「とりあえず試したい」気持ちに応える方法ではありますが、利益や持続性の面であなたの事業のためにはなりません。
むしろ「最小ロット1,000個を売り切れる商品設計」を考えることこそが、結果的に事業を軌道に乗せる一番の近道です。
ですから私たちは「作れるかどうか」ではなく「売り切れるかどうか」を大事にしています。1ロットを売り切る健康商品(サプリメント)を一緒に作りませんか?

