サプリメントの粗利率、儲かるのかが気になりますよね?
粗利率=利益ではないという基本の確認
「粗利率が高ければ成功」と考える方は少なくありません。もちろん、事業を続けていく上で利益率は重要な指標です。ただし、粗利率=利益ではないという点は改めて確認しておきたいところです。
例えば、原価を削って一見高い粗利率を実現しても、その商品が売れなければ意味がありません。あるいは、売れてもリピート率が低ければ、広告費や人件費に圧迫されて結局赤字になるケースもあります。
粗利率はあくまで“数字上の目安”であり、それ単体では事業の健全性や将来性を語ることはできません。ビジネスを成功させるには、粗利率だけでなく「売り方」「伝え方」「顧客との関係性」といった“仕組み”が必要です。
安く作っても売れなければ意味がない
健康食品ビジネスでは、どうしても「まずは原価を下げたい」という考えが先行しがちです。もちろん、無駄を省いて適正な製造コストにすることは大切です。ただ、原価を下げることだけに注力して、売り方や市場との接点が曖昧なままでは、結果として“売れない”商品になります。
とくに注意していただきたいのが、新規参入者が「とにかくネットで安く売れば売れるだろう」と考えてしまうパターンです。これはほぼ確実に失敗します。大切なことなので繰り返して言わせてもらいます。『ネットで安さ訴求で売ろう』は、必敗の策です!理由は次の章で詳しくご紹介します。
価格競争に巻き込まれると、粗利率は崩壊する
新規参入で通信販売を主軸にするのは危険
私はこれまで多くの健康食品の新商品開発の相談を受けてきましたが、「ネット販売で安く売るつもりです」という方は、ほぼ例外なく苦戦されています。
理由は明確です。資本力のある大手や既存ブランドと同じ土俵で価格競争をしても、勝ち目がないからです。リスティング広告に多額の予算を投じ、ブランドイメージを長年かけて築いてきた大企業と戦ってはいけません。
新規参入で通信販売を主軸にするなら、「価格で勝つ」ではなく、「価値で選ばれる」仕組みを作る必要があります。
「売れる健康食品」には“売り場の構造”がある
高価格帯でもしっかり売れている健康食品には、必ず“売り場の構造”があります。
例えば、会員制の通販、専門家による対面販売、サロンや整体院を通じた提案型チャネルなどでは、「この価格には理由がある」と納得してもらえる土壌があるのです。価格を納得してもらえる“場”で売ることが、高粗利でも売れる鍵となります。
粗利率を確保しながら売る──中小企業の差別化戦略
原価よりも「販売方法」で利益は決まる
健康食品OEM株式会社では、単なる製造だけでなく、売り方や商品設計のご相談も多くいただきます。その中でつくづく感じるのは、同じ原価の商品でも「販売方法」や「伝え方」で粗利がまったく変わるということです。
たとえば、同じ素材・同じ処方でも、「誰にどう届けるか」によって価格設定も変わります。あるお客様は、素材の背景を丁寧に語ることで、高価格帯でも安定したリピーターを獲得しています。
成功している会社が“例外なく”やっていること
守秘義務の関係で具体的な社名は挙げられませんが、私の知る中で成功している中小企業は、すべて「自社の販路と販売方法」を自ら開発し、育てています。
例えば、対面販売でお客様に丁寧に商品を説明し、定期購入へとつなげている企業。あるいは、自社ブランドの世界観を軸にしたコンテンツ発信型のEC。
いずれも、「どこで」「誰に」「どう売るか」の全体像を持っており、そこに“価格の理由づけ”があるからこそ、高い利益率で売っても受け入れられているのです。
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差別化に必要な5つの視点(汎用化+実務目線)
1. 原料や機能性の独自性
「うちの商品にしかない理由」が語れる素材は、価格ではなく価値で選ばれるための出発点です。たとえば、酪酸菌や国産素材、伝統製法の発酵原料などは、それ自体が物語になります。
2. コンセプトと世界観
単なる「健康にいいサプリ」では差別化はできません。「どんな人の、どんな悩みに寄り添うのか」「どんな生活を支えたいのか」といった文脈を持つことで、価格に対する納得感が生まれます。
3. ターゲット顧客との接点
誰に届けたい商品なのかが定まっていなければ、言葉もデザインもブレてしまいます。30代共働き女性、60代の健康志向男性など、顧客像が具体的だからこそ、パッケージや販促も響くのです。
4. 売り場との親和性
「高くても買ってもらえる場所」を選ぶことが、高粗利維持のカ
5. 継続購入を促すアフターケア体制
高い利益率を得るためのビジネスでは「一回売って終わり」では成り立ちません。LINEサポートや定期購入制度、同梱物でのフォローなど、お客様との関係性を維持する体制こそ、高い利益率の源泉となります。
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「粗利率が高いこと」は、むしろ正義である!
事業継続のための利益設計
中小企業にとって、粗利率をしっかり確保することは、事業継続の生命線です。広告費、人件費、物流費、そして開発コスト——適切な利益がなければ、良い商品を出し続けることができません。
ユーザーの満足度を下げない“価格の理由づけ”
価格に納得してもらうためには、「なぜこの価格なのか」を伝えることが不可欠です。原料の品質、製造へのこだわり、アフターケア体制——それらを誠実に伝えることで、高価格帯でもむしろ安心感につながります。
まとめ|“売れる健康食品”を支えるのは、販売の仕組みそのもの
安く作って安く売る、というモデルが通用したのは過去の話です。今は「どこで、誰に、どう売るか」がすべてを決めます。
中小企業こそ、自分たちだけの売り方を確立することで、高粗利×高継続率という理想のビジネスが実現できる。
私はこれまで、その現場を見てきましたし、これからも健康食品ビジネスに新たに挑む挑戦者たちと伴走していきたいと思っています。

